【自転車専門店監修】どこで手続きできる?自転車の防犯登録について分かりやすく解説

公開日:2022年4月28日

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自転車の防犯登録は義務

実は自転車の防犯登録は「改正自転車法」で自転車の利用者に対して義務付けられている。今のところ自転車の防犯登録をしないことによる罰則はないが、盗難被害のリスクが高まるなどのデメリットがあるので登録しておくべきだろう。

そこで今回は、自転車の防犯登録について大型自転車専門店「サイクルベースあさひ」に聞いた。防犯登録の方法や手順、必要書類についてケース別に分かりやすく紹介していく。

教えてくれたのは?

株式会社あさひ

大型自転車専門店「サイクルベースあさひ」を全国に500店舗以上展開し、身近で何度でも訪れたくなる店舗づくりを続けている。子ども用自転車から本格スポーツ自転車まで豊富に商品を取り揃えているのが魅力。また「自転車安全整備士」「自転車技士」の資格をもった専門スタッフが自転車をメンテナンスし、安心安全をサポートしている。

公式HP

防犯登録はなぜ必要なの?防犯登録をしないデメリット

自転車の防犯登録をしないことによる罰則はない。しかし、防犯登録をしないと次のようなデメリットがある

防犯登録をしないデメリット①:盗難されやすい

防犯登録はその自転車に対しての所有権を証明するもの。防犯登録を行うと自転車に登録シールを貼ることになる。

そのため、登録シールの有無で防犯登録されていない自転車だと一目で分かってしまうため、盗難のリスクが高まる恐れがある。

防犯登録シールのイメージ
防犯登録シールのイメージ

自転車の盗難被害を未然に防ぐといった意味でも防犯登録が役立ちます。
まずは防犯登録から盗難対策を始めましょう。

 

防犯登録をしないデメリット➁:盗難された際に発見の連絡がこない

防犯登録を行っていない場合、自転車が盗難にあったとしても自分の所有する自転車だと証明できない。そのため、そもそも警察に盗難届を出すことができない。

防犯登録が行われている場合、もし自転車が盗難されてしまっても、盗難届を出しておけば、発見されしだい所有者に元に連絡がきます。

 

防犯登録をしないデメリット③:盗難車と疑われてしまう可能性がある

防犯登録はその自転車の所有者を証明するものでもあるため、自分で購入した自転車に乗車していたとしても防犯登録がされていないと、盗難した自転車と疑われてしまう可能性がある。

自分で購入したことを証明するためには手間も時間もかかります。そういったことを無くすためにも自転車の購入時はもちろん、お引越しの際にも防犯登録を行っておくことをおすすめしています。

 

【ケース別】自転車の防犯登録方法と必要なもの

防犯登録に必要なものを持っている男女

ここからは自転車の防犯登録方法と必要なものについて、ケース別に紹介する。
ただし、防犯登録をする都道府県や購入店舗によって自転車の防犯登録方法と必要なものが異なるため、購入前に確認してほしい。

防犯登録方法①:実店舗で新品の自転車を購入した場合

【防犯登録を行える場所】

購入した店舗

【必要なもの】

  • 身分証明書(免許証や保険証)
  • 登録料(約600円~800円)

自転車を購入した自転車販売店で、自転車が納車される際に防犯登録が行える。登録料は各都道府県によって異なるが、600円~800円ほど。新車購入時の防犯登録であれば約10分ほどで登録できる。

防犯登録方法➁:ネット通販で新品の自転車を購入した場合

防犯登録を行える場所

「自転車防犯登録所」の看板が掲示してある防犯登録所(自転車販売店・スーパー・ホームセンター等)

【必要なもの】

  • 自転車本体
  • 購入したことが証明できるもの(保証書兼販売証明書、納品書、発送完了メールの控えなど)
  • 身分証明書(免許証や保険証)
  • 登録料(約600円~800円)

ネットで購入した自転車も、サイクルベースあさひをはじめ「防犯登録所」となっている最寄りの販売店に必要なものをお持ち込みいただければ防犯登録が行えます。

 

防犯登録方法③:中古の自転車を購入した場合

防犯登録を行える場所

「自転車防犯登録所」の看板が掲示してある防犯登録所(自転車販売店・スーパー・ホームセンター等)

【必要なもの】

  • 自転車本体
  • 購入したことが証明できるもの(保証書兼販売証明書、納品書、発送完了メールの控えなど)
  • 身分証明書(免許証や保険証)
  • 登録料(約600円~800円)

フリマアプリなどで中古自転車を購入する場合、まず販売者側に自転車の防犯登録を抹消してもらう必要がある。また、譲渡証明書もあわせて発行してもらう必要がある。詳しくは次の「他人から自転車を譲渡された場合」の項目で説明する。

ただし、既に購入してしまった後で必要な書類を揃えるのが難しい場合は、本人の身分証明書と自転車本体だけで防犯登録を行える場合もある。諦めずに最寄りの自転車専門店などに確認してみよう。

中古で購入した自転車の防犯登録を行わなかった場合、盗難車と疑われる可能性もあります。あらぬ疑いをかけられることが無いように、防犯登録をしましょう。

 

防犯登録方法④:他人から自転車を譲渡された場合

防犯登録を行える場所

「自転車防犯登録所」の看板が掲示してある防犯登録所(自転車専門店・スーパー・ホームセンター等)

【必要なもの】

  • 自転車本体
  • 防犯登録抹消証明書
  • 譲渡証明書
  • 身分証明書(免許証や保険証)
  • 登録料(約600円~800円)

まずは前所有者に譲渡する自転車の防犯登録を抹消してもらう必要がある。防犯登録の抹消時には防犯登録時の控えが必要だ。(抹消手続きについて、詳しくは後述)

また、譲渡証明書もあわせて発行してもらう必要がある。譲渡証明書とは、所有権の移動を証明する書類である。ただし、前の持ち主の防犯登録データの抹消を許可するものではない。
譲渡証明書に決まった様式はなく、手書きでも問題ないが、自転車防犯登録協会のHPなどからフォーマットをダウンロードできる。印刷して使うと便利だ。

登録抹消証明書と譲渡証明書が用意できたら、自転車本体とともに身分証明書、登録料を用意して自転車の新規防犯登録を行いにいこう。

譲渡された自転車であっても、防犯登録を行っていなかった場合、盗難車と疑われる可能性があります。その場合警察から元の持ち主に連絡が行くこともあるので、譲ってくれた相手のためにも、しっかり防犯登録をしましょう。

※防犯登録のルールは各都道府県により異なるため、事前に登録を予定されている都道府県の自転車防犯協会にご確認ください。

転居や結婚など個人情報が変わったときは、防犯登録の変更申請を

転居で住所が変わった場合や、結婚で姓が変わった場合など、個人情報が変わったときは防犯登録の変更申請が必要だ。
変更申請の方法は各都道府県によって異なるが、主に次の通り。

【防犯登録の変更申請ができる場所】

  • 交番
  • 自転車防犯協会
  • 「自転車防犯登録所」の看板が掲示してある防犯登録所(自転車専門店・スーパー・ホームセンター等)

【必要なもの】

  • 自転車本体
  • 防犯登録の控え
  • 身分証明書
  • 登録料(約600円~800円)

他人に譲るときは、防犯登録の抹消・譲渡証明書が必要

自転車をフリマアプリ等で売却したり、他人に譲ったりする場合は、防犯登録の抹消手続きが必要だ。前所有者の防犯登録番号のままでの名義変更はできないので気をつけよう。

また、自転車を譲った相手がスムーズに防犯登録を行えるように譲渡証明書も必要になる。
防犯登録の抹消方法は各都道府県によって異なるが、主に次の通りだ。変更申請と違い、防犯登録の抹消には費用がかからない。

【防犯登録の抹消手続きができる場所】

  • 交番
  • 自転車防犯協会
  • 「自転車防犯登録所」の看板が掲示してある防犯登録所(自転車専門店・スーパー・ホームセンター等)

【必要なもの】

  • 自転車本体
  • 防犯登録時の控え
  • 身分証明書

※自転車の防犯登録の抹消申請が行える場所は都道府県によって異なる。防犯登録が申請されている都道府県の交番・自転車防犯協会・自転車販売店に問合せよう

防犯登録以外にも自転車を買った時にやっておくべきこと

チェックを促す男女
防犯登録と合わせて確認しよう

ここまで防犯登録について解説してきた。ここからは防犯登録とあわせてやっておくべきことを紹介する。

①防犯登録標識(防犯登録シール)や防犯登録のお客様控えをスマートフォンで撮影しておく

防犯登録シール、防犯登録のお客様控えは、自転車が盗難にあい盗難届を出す際や自転車を譲る際などで必要になる。いざというときに困らないようスマートフォンで撮影しておくのがおすすめだ。

防犯登録のお客様控えは非常に大事な書類です。大切に保管しておきましょう。

 

②自転車保険への加入

自転車の使用に際して保険への加入が義務化されている自治体や、努力義務と定められている自治体が非常に多くなっている。もし自転車を運転中に歩行者との交通事故を起こしてしまった場合、歩行者に大きなケガを負わせてしまうかもしれない。自転車に乗る場合はもしもの場合に備え、自治体の決まりにかかわらず、保険へ加入しておこう。

自転車保険に加入していれば、事故を起こしてしまったときの被害者への補償はもちろん、自分が事故にあってしまったときも補償されます。自転車保険は月額170円から加入できるものもあるので、検討してみてください。

※参考:国土交通省HP自転車損害賠償責任保険等への加入促進について

よくある自転車の防犯登録に関する質問

ここからは、自転車の防犯登録についてよくある疑問を大型自転車専門店「サイクルベースあさひ」に聞いていく。

Q1:自転車の防犯登録は全国共通?

防犯登録された内容についてはデータベース化されるため全国共通となります。しかし、防犯登録の抹消や変更手続き方法は各都道府県ごとに異なります

 

Q2:自転車の盗難被害にあったらどうすればいい?

最寄りの警察に自転車の盗難届を提出しましょう盗難届には、防犯登録時のお客様控えが必要となります。

 

Q3:自転車の防犯登録の有効期限は?また期限が過ぎたらどうすればいい?

防犯登録の有効期限は各都道府県によって異なります。ご自身が登録されている自転車防犯協会に確認しましょう。
もし、有効期限が切れた場合はその時点で登録が抹消されるので、新規で再登録が必要です。

 

Q4:盗難などで防犯登録シールが剥がされた場合どうすればいい?

防犯登録シールは同番号の再発行はできません
新規で防犯登録を行ってください。

   

Q5:自転車を処分するときに必要な手続きは?

処分方法によって異なりますが、中古自転車として再販される可能性がある場合は登録を抹消するほうが好ましいです。一方、そのまま自転車が廃棄処分となることが決まっている場合は防犯登録の抹消などは必要ありません。

 

安心して自転車を利用するために防犯登録しよう

自転車に乗っている人
防犯登録をしてから自転車に乗ろう

自転車の防犯登録を行うことで、盗難を防いだり、紛失した際に見つけやすくなるといったメリットがある。防犯登録の手続きは、防犯登録所に自転車と必要なものを持っていくだけで行えるためとても手軽。あらぬ疑いをかけられないためにも、自転車を購入したり譲渡を受けた際には忘れずに防犯登録をしてほしい。

サイクルベースあさひさん、ありがとうございました!

株式会社あさひ

大型自転車専門店「サイクルベースあさひ」を全国に500店舗以上展開し、身近で何度でも訪れたくなる店舗づくりを続けている。子ども用自転車から本格スポーツ自転車まで豊富に商品を取り揃えているのが魅力。また「自転車安全整備士」「自転車技士」の資格をもった専門スタッフが自転車をメンテナンスし、安心安全をサポートしている。

公式HP

文=編集部

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